テイワット観光ガイド・モンド編を、日本語の文法ルールに則って丁寧に再翻訳しています。YouTubeにて朗読会もしています。
物語をゆっくり朗読
ダダウパの谷

この谷には繁栄したヒルチャールの集落が三つある。
彼らは独自の文化を持ち、力強く日々を生きている。
──私はひとつの仮説を立てた。
谷の中心部に位置する低地に転がる巨大な球体の檻を作り、その中に全てのヒルチャールを入れれば、動き回る彼らによって球体の檻が動力源になる筈だ。
私の計算ではモンド全域の製粉所、約5年分の動力が生み出される事になる。
そして、年寄りや力尽きた彼らを餌として加工し、若いヒルチャールに与えれば、より大きな動力が生まれることだろう。
私の見立てであればこれは実現可能な話である。
この仮説を図書館司書のリサさんに話したら、優雅な微笑みを浮かべながら話題を逸らされてしまった。
星拾いの崖

そういえば、風神は本当に些細なことに拘らない神なんだろうね。
もし私が神なら、こんな複雑に入り組んだ地形を放っておかないもの!
適切な場所に火薬をたくさん詰め込んだ爆弾をいっぱい仕掛ければ、星拾いの崖のような広大な土地でも崩せるはずだ。
そうすれば、モンドの地形は今よりもずっと整然とするに違いない。
まぁ残念なことに、モンドの騎兵隊長に私の提案は却下されたけど。
風立ちの地

モンド全域で唯一、地形がなだらかな草原。
中心に近い所にはとても大きなオークの木が生えている。
伝説によるとヴァネッサがそこから天に昇ったらしい。
けれど、木の周りをどれだけ探しても、発射装置のような物は見つけられなかった。
試しに、その辺にいたヒルチャールを爆弾で吹き飛ばしてみたが、清泉町の猟師小屋までしか飛ばなかった。
がっかりだ。
鷹飛びの浜

実験でヒルチャールを吹き飛ばしたのが原因で清泉町が大混乱に陥り、騎士団のジンさんが私に見張りを付けてしまった。
鷹飛びの浜以外の立ち入りを禁止されてしまい、本当につまらない。
空を飛び回る鷹や、膨らんだ風スライムを観察しても退屈だ。
なにより、最も我慢できないのは何もできないこと。
けれど見張り役の偵察騎士のお嬢さんは、楽しそうに子供たちと遊んでいた。
囁きの森

モンドにある一つの森。
あのアンバーという偵察騎士がこの辺をよく知っているらしい。
彼女が持っている爆弾のおもちゃはとても面白い!
もし私が改良を施せばこの森を一瞬で焼け野原にするだけでなく、周囲の山をも吹き飛ばせるかもしれない。
私の提案は受け入れられなかったが、爆弾人形は今までにないほど画期的なアイデアだ。
是非とも取り入れてみよう!
明冠峡谷

やっとの思いで騎士団のストーカーを振り切ると、シードル湖北西の海岸でこの谷を見つけた。
古い装置が今なおここを守っているものの、かつてこの地を支配した烈風の王はもういない。
時の風があてもなく吹き、知能の無いヒルチャールと喋らない機械の守衛だけが取り残されている。
ヒルチャールを使った遺跡守衛を操作する実験がまた失敗に終わり、遺跡守衛がバラバラになってしまった。
柱に縛られたヒルチャールは目も当てられない状況になっていた。
元々損傷が少なかった遺跡も半分以上が崩れてしまった。
風龍廃墟

明冠峡谷を抜けると、この巨大な古城遺跡に辿り着く。
孤高なる烈風の王デカラビアンが建造した城だ。
古城全体が円状になっていて、その内側と外側の間にスペースがある。
民のために用意された場所のようだ。
古城の中心部には高い塔が立っており、そこが烈風の王の宮殿となっている。
人民のために生活基盤を作ろうとした冷酷非情な暴君。
この遺跡に辿り着いた者はまだいない。
今後、ここに辿り着いた人がもっと簡単に塔を登れるように、いくつか長い回廊を爆破しておこう。
うん、なかなかの出来だ。
より古い遺跡っぽくなったね!