モナの好感度ストーリーを、日本語の文法ルールに則って丁寧に再翻訳しています。YouTubeにて朗読会もしています。
物語をゆっくり朗読
Profile

テイワットに住む人々は皆、日々の生活に奔走している。
商人は品物を運搬し、騎士は街を巡回し、農民は農業に励んでいる。
では、神秘的かつ誇り高き占星術師──
モナは何に奔走しているのか?
そう問われれば、彼女は「生活」という名の手帳の計算と答えるだろう。
彼女自身は「貧乏」であることを認めておらず、以下の説明をしている。
「質素な生活を送ることで、世界の真実を覗くことができるのです。食べ物は美味しすぎると栄養そのものを忘れてしまいますから」
──これは真実を見極めるための修行なんです。
というのが彼女の決まり文句である。
テイワットに住む人々は皆、日々の生活に奔走している。
それは誇り高き占星術師も例外ではない──
あ、どこぞの吟遊詩人だけは何もしていないらしい。
EpisodeⅠ
これはつい先日のこと。
モナの師匠である「魔力が非常に強い老婆の占星術師」が、モナにとある重要な任務を任せた。
師匠には「
『箱の中身を勝手に覗いたらどうなるか……分かっているよな?』
モナはモンドへ出発する前、師匠からそんな忠告を受けていた。
驚くことに、例の学者の継承者とは「火花騎士」クレーのことだった。
箱は無事見つかったが、モナにとって予想外な出来事が立て続けに起こり、無意識のうちに箱の秘密を知ってしまった。
『し、しまった……! 箱の中身は少女時代のおばばが書いた日記だったなんて……。このまま戻ったらおばばに殺されてしまいます!』
師匠の元へ戻れなくなったモナは、仕方なくモンドに住み着き貧乏生活を始めたのだった。
EpisodeⅡ
モナが占いで使う占星術は「水占の術」。
彼女はその原理についてこう説明している。
『星空の輝きは人の運命、
意味はよくわからないが、誰もが認めざるを得ない実力を持っているのは確かだ。
しかし、実力が高すぎるが故に反感を買うこともある。
モナの占星術は非常に的確であり的確だ。
彼女は占いの先にどんな結末が待っていようと、それを隠すようなことはしない。
「あなたの息子さんが将来立派な人間になるって? 残念ながらそれは嘘です」
「彼とはうまくいきませんよ。なぜかって? もうすぐ彼は遠いところに行くからです」
どれだけ残酷な結末が待っていようと、彼女はありのままの真実を突きつける。
この点に関しては、たとえ冷酷な人間と言われてもモナは譲らない。
晴れた日の夜は、高い丘の上で稀に彼女の姿を見ることができる。
手が届きそうな星空を眺めながら、モナはとても優しい表情を浮かべる。
彼女はそこで、誰も知らない歌を口ずさむのだ。
EpisodeⅢ
モナはいつも食料問題を抱えている。
研究費用のために食費を節約し、一カ月もの間、野生キノコしか食べていなかったという話もある。
途中で施しを受けて助かったそうだが……。
彼女には収入がないとは言え、食費とは別に多少のお金が残されている。
では、そのお金はどこに使われているのか?
それはモナの研究所に行けば答えがわかる。
彼女の研究所には、占星術に関する器具や資料が山のように置かれている。
例えば璃月の古書、スメールの占星盤、そのどれもが非常に高価なものだ。
だから、彼女がお金に困っている理由もわからなくもない。
モナは生活費を稼ぐため、モンドで執筆の仕事を始めた。
今では「蒸気鳥新聞」星座コーナーの報酬が、彼女の最も大きな収入源となっている。
──ようやく貧乏生活から抜け出せる。
しかし、占星術師としての知識への探求は止まらない。
報酬が入ると同時にたくさんの資料を購入し、再び貧乏生活に戻るのだった。
EpisodeⅣ
モナはときどき、クレーやアルベドと一緒に食事をする。
その一番の目的はもちろん、タダ飯にありつくことである。
そして、二つ目の目的がアルベドとの学術交流。
モナと同じく世界の理を探究する者で、偉大な師匠の元で学ぶ者同士として、競い合うのはよくあること。
アルベドの前では、モナは自分の師匠のイメージを極力守ろうとする。
とはいえ、皮肉を言うこともある。
『あなたの師匠はおばばとは違いますね。私の師匠は頑固でどうしようもないおバカさんですから』
アルベドはどういう意味なのかモナに聞いた。
しかし、彼女自身も考えたことがなかったのか、顎に手をついて考え始めた。
『ふむ……おばばは卵、バターや小麦の相場を知らないはずです。ですが、私はおばばとは比べ物にならないほど相場を熟知しています』
──これに関してはおばばに負けるつもりはありません。
と、彼の前で師匠の皮肉を語るのだった。
EpisodeⅤ
師匠の元で学んだ日々。
師匠から教わった世界の概念的な法則はすべて、物事の掟を理解するためのものだった。
人の意思は法則と掟に縛られている。
だが、ある一定の判断能力を有すれば、こんな複雑な世界でも不自由なく生きていくことができる──
かつてのモナはそう考えていた。
しかし自らの力で生活し、人間らしい生き方を始めた彼女は、これまでの考えが大きく覆されたことに気付く。
この世界に生きる全ての人が、豊かな生活を送っている訳ではない。
衣食に困り、物乞いをする人さえいる。
以前、とある貧しい冒険者がいた。
彼は冒険の中で、山菜で空腹を満たそうとしているモナと出会った。
冒険者は自分の食べ物の半分を気前よく彼女に譲り、こう言ったのだ。
「故郷を離れた者同士は助け合うんだ」
そんな、いわゆる世界の掟に記されていない事象が、次から次へとモナの身近なところで起きていく。
──盗賊の誠実さ
──強盗の優しさ
──臆病者の勇気
──悪人の善行
彼らの行動原理がモナに疑問を抱かせた。
そして、星空の下で彼女は気付く。
自分の研究にこれほど多くのミスがあったのかと。
恐らく彼女がこの世界で生きている限り、理の研究に終わりが来ることはないだろう。
星座相談
フォンテーヌ廷の「蒸気鳥新聞」には、様々なコーナーがある。
七国の情報からゴシップまで、取り扱うジャンルは多岐に渡る。
モナが担当している「星座相談」は、星座マニアと専門家のために設けられたコーナーである。
彼女がこの仕事を受けられたのは偶然の出来事だった。
以前、星座コーナーを担当していた作家は、旅の中で「変わった占星術師」の話を耳にする。
彼は星座マニアとしての好奇心に駆られ、モナに会いに行くことを決める。
そして、モナと会って星座について語り合った彼は、彼女の知識量に惹かれた。
偶然にも、当時の星座作家は引退を考えていた。
彼はお金に困っているモナを助けようと、蒸気鳥新聞の編集長に彼女を紹介したのだ。
モナが最初に書いた「占星術入門」が刊行されて以来、それまでは馴染みやすかった「星座相談」のスタイルが激変。
内容の半分以上が「星の摂理」のような難しい話題で占められ、参考文献や注釈まで加えられている。
さらには手書きの星座イラストまで付くようになった。
編集長はモナの論文のような書き方が読者に合うか心配したが、驚くことにたくさんのファンレターが出版社に届いた。
「本当にすごいね。内容はよくわからないけどとにかく面白い。今日から私は『アストローギスト・モナ・メギストス』先生のファンだ」
編集長に契約期間の更新を承諾してもらうことができた。
──自分へのプレゼントにずっと欲しかったものを買いましょうか。
こうして、モナは最初の報酬で最新のプラネタリウムを買うのだった。
神の目
モナにとっての「神の目」は、神の眷属である証でしかなく、特に気にする程のものではなかった。
所詮「魔力を引き出すための外付け器官」に過ぎない。
力を持つこと自体は悪くない。
だが、世界の「理」に比べたら「力」なんて取るに足らない概念だ。
神ですらもこの世界の掟に縛られている。
モナが追い求めるのは、遠い星空の下にある世界の真実。
人々から、神の恩恵や力の源と言われる神の目に対して、彼女が媚びることはない。
とはいえ、この実用性のない神の目でも、モナにとっては大切なものである。
神の目は師匠から贈られたものであり、師匠と共に過ごした日々を証明してくれる証だ。
モナは神の目をアクセサリーとして身に付け、過ごしてきた日々の思い出を大切にしている。
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